歯の磨き方

歯は一日に何回磨くのが良いですか?

歯磨きは「一日三回、食後三分以内が理想的」といわれていますが、朝はエチケットのための歯磨き、就寝前は虫歯、歯周病を防ぐための歯磨きのような考え方で一日最低二回ぐらいは磨くようにしてください。特に、夜寝ている間は唾液の出も少なくなり口の中のばい菌が急速に増加しますので、就寝前の歯磨きは非常に重要です。

歯磨きは虫歯予防にどの程度役に立つのでしょうか?

虫歯の原因菌は口の中に常に存在していて、食べかすなどに混ざり増殖し自らネバネバした物質を作り出してゆきます。このばい菌の塊の汚い歯垢をきれいに掃除しようとすると、やはり歯ブラシでゴシゴシこすって物理的に歯の面歯の隙間をきれいにすることがまず大切です。

甘いもの チョコレートなどは虫歯ができやすいですか?

歯の原因は虫歯菌の作り出す酸により歯の表面が溶けてゆく(脱灰)、から始まり穴が開いてゆきます。その虫歯菌が一番栄養源にしやすいのが糖類 特に砂糖なので甘いお菓子などは虫歯ができやすいのです。

自分では歯磨きしているつもりですが虫歯ができたり歯石がついたりします。
どこが悪いのでしょうか。

歯磨きは「磨いている」と「磨けている」は違います。ある程度磨いているつもりでもブラシの毛先が肝心なところにあたっていないことが多いようです。磨きにくい場所は下あごの歯の内側、上あごの歯の奥歯の外側、歯と歯の間などです。磨くコツがありますので歯科医院で歯磨き指導を受けられるのをお勧めします。

プラークコントロールつてなんですか?

プラーク(歯垢、歯の汚れ)を付着させないように、口の中 歯を清潔に保ち管理することを言います。代表的な方法は歯磨きです。

プラークは歯磨きで取れるものですか?

プラークといわれるものは歯に硬く付着していないので、歯磨きで十分取れます。歯磨きで取れないものは、プラークではなく、歯石に変化してしまいこびりついているものです。

タバコは吸わないのですが、歯の裏側や根元のほうが茶色になっているのですが…

お茶をよく飲まれる方の場合によく見かけられます。茶渋のようなものも歯の面に付着しやすいです。また、うがい薬の一部には同じように歯が茶色くなるものもあります。これらは歯磨きでは取れませんので、歯科医院で専用の器具、洗浄剤を使用すればきれいにクリーニングできます。定期的なクリーニングをお勧めします。

舌の表面に白っぽいものがついているのですが…

舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、舌の表面のざらざらしたところにプラークによく似たような白いものがつきます。これは口の中が不潔になりますし、口臭のもとになります。歯を磨かれるときに舌ブラシ、あるいは柔らかめの歯ブラシなどで清掃されるとよいでしょう。

口臭はどうして起こるのですか。

口のにおいはたんぱく質の分解などによって生じ、食べ物を食べている口の中では常にたんぱく質の分解が行われています。ゆえに、口の中にはにおいがあるのは当然で、口臭がゼロの人はいません。また、起床直後 空腹時などはにおいが出やすいです。言うまでもなく、

などは、口臭の元になります。

歯磨きの仕方のポイントは。

虫歯や歯周病の予防の基本はなんと言っても歯磨きです。歯垢(プラーク)をきれいに落とそうとするあまり力を入れすぎてゴシゴシ磨くと、磨き残しができやすく逆効果になります。汚れのたまりやすいところ(かみ合わせの面、歯と歯の間、歯と歯茎の境目)を意識して、毛先を軽く当て、横方向に小刻みに10~30回ずつ動かすのが歯磨きの基本動作です。

どんな歯ブラシを選んで使えばよいでしょうか。

歯ブラシは、毛先とコシが重要です。毛先が歯と歯茎などの隙間に入りやすいように、硬すぎずヘッドが小さめの物を選びましょう。毛先が開いてしまうといくら磨いても歯垢が落とせません。1ヶ月に1本を目安に交換しましょう。

電動歯ブラシは使ったほうが良いでしょうか。

電動歯ブラシを使って歯磨きすると確かに磨く能率は上がります。磨いた後の歯の面は確かにツルツルになります。ただ、電動歯ブラシは持つところが大きかったり、先の回転する部分が大きかったりして細かいところを磨くのが少し苦手なようです。もし面倒くさくなければ、手で磨く小さな歯ブラシを併用して使えばかなりきれい
にブラッシングできると思います。手で十分に磨けるのであれば、ぜひとも電動歯ブラシを使いなさいとは申しません。

ガムをかむと歯の汚れが取れて虫歯の予防になりますか。

ガムをかむと口の中がすっきりして、きれいなるように思われますが、逆に食べかすなどを歯の狭い隙間などに押し込んだり、糖分により虫歯の元になったりすることがあるようです。
最近は虫歯になりにくいキシリトールなどの甘味料が使われているものも多く出回っています。やはり歯の汚れ(プラーク)をきれいに取ろうと思うと歯磨きをするのが一番です。

洗口剤(マウスリンス)はどの程度効果がありますか?

洗口剤はうがい薬とは違います。洗口剤を口に含み、口を閉じてブクブク洗口剤を左右に移動させて歯にぶつけるように洗口します。こうすることによって、歯の表面の汚れの一部が洗われ、また殺菌作用により、むし歯菌、歯周病菌の一部が殺菌される効果があります。
しかしこれらの効果を過信するのは誤りで、洗口剤のみで歯磨きの代用にはなりません。歯磨きのときに併用して使用すると効果が上がり、お口の中もさっぱりするでしょう。

歯間ブラシやデンタルフロスは使ったほうがいいですか?

実は歯ブラシだけでは歯の表面についた歯垢を落とすのは十分とはいえません。
とくにはと歯の間は歯垢が残りやすい場所です。その志向を落とすための道具がデンタルフロスや歯間ブラシなのです。しかしこれらの補助的清掃用具はどの年代でも使うべきかというとそうではありません。
歯間ブラシは10歳代や20歳代では歯の間が狭く、入る場所がほとんどありません。無理をすると歯ぐきを傷つけることになります。そういう場合にはデンタルフロスを使うことになります。 いずれにしましても正しい使い方を一度かかりつけの歯科医院で相談の上、指導してもらって使うことをお勧めします。

歯磨き剤は使ったほうが良いでしょうか?

歯磨き剤はブラッシング時の補助的な働きをするもので、歯の表面の色素性の沈着物(ヤニ、茶しぶ)の除去、歯垢の分解 除去、特殊成分による口の中の細菌の除去、歯の質の強化(フッ素)などがあります。
ただし、歯ブラシに多量の歯磨き剤をつけ力任せに強く磨きすぎると、歯磨き剤に含まれる研磨剤により歯の質が削れていってしまいます。何もつけない「からブラシ」でも特には問題はないのですが、どうせ磨くなら、フッ素入りの歯磨き剤を適量使用して磨くのをお勧めします。

フッ素にはどのような作用がありますか?

フッ素塗布というのを聞かれたことがあると思いますが、このフッ素には歯の表面の質を強化する作用(虫歯予防)、歯がしみるのを和らげる作用(知覚過敏抑制)などがあります。
歯科医院などで行うフッ素塗布は定期的に年に2,3回受けていただければ虫歯予防率は30~40%といわれています。生えてきたばかりの歯は 歯の質が弱いので特に子供さんにはぜひとも受けていただきたいのですが、大人でも上記のような作用が認められていますのでお勧めいたします。

歯ブラシ以外に歯をきれいにする方法、道具はありますか?

歯磨きは一生懸命にやってますといわれている方の歯をチェックしますと、残念ながら歯と歯の間などに汚れが残っています。この部分の汚れを取ろうと思うと歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)などを使わなければいけません。歯間ブラシは歯周病、加齢、などにより歯と歯の間の隙間が開いている部分に差し入れ使います。
デンタルフロスは、歯と歯の接しているブラシなどが通りにくい接点部分にこの糸を通し込むように使います。両方とも使ってみるとびっくりするほど汚れが出てきます。

虫歯予防に歯の溝を埋める方法があるそうですが…

シーラントと呼ばれる方法で 奥歯の虫歯の60%ぐらいが、かみ合わせの面の細かい溝から発生します。
この部分は歯ブラシの毛先も届きにくく、それでは あらかじめ埋めてしまおうという意味で歯を削らずに合成樹脂を溝の深い部分に詰め込む歯科処置です。
特に子供さんの場合歯科検診をかねてフッ素塗布と一緒に行っていただければと思います。

最近キシリトールガムなどが市販されていますがどういうものなのでしょうか?

代替甘味料の一種(白樺の木から取れる天然成分)砂糖と比べても自然な甘さで近年、虫歯予防にもつながるということでお菓子、ガム、キャンデイなどに含まれるようになってきました。ただし虫歯予防を期待する場合、砂糖が配合されていないキシリトール製品を少なくとも一日に3~5回摂取する必要があり、これを一年以上継続することによって虫歯予防の効果を発揮といわれています。
ゆえに、キシリトールだけで虫歯予防にはなりにくく、歯磨き、甘いお菓子の制限、フッ素の応用などいろいろの方法を組み合わせることによって、虫歯ゼロにつながると考えてください。

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